閉じ込めに関する検討

目的

  1. PCV から放射性物質の漏えいを抑制・防止するとともに、水素爆発によるPCV 破損を防止する。

本文

  1. PCV 気相部からの放射性物質の漏えいの抑制
  2. 1~3 号機のPCV 内の気体をPCV ガス管理設備にて抽気・ろ過等を行い、放射線管理関係設備により放射性物質濃度及び量を監視することで、環境へ放出される放射性物質の低減が図られている。なお、1~3 号機とも、PCV 内部の圧力は微正圧であることから、PCVの気相部に重大な損傷はないと考えられる。

  3. 原子炉建屋からの汚染水(液相部)の漏えいの防止
  4. 各号機のPCV から漏えいする汚染水が、各号機の原子炉建屋等に滞留している。各建屋に滞留している汚染水が漏えいすることがないよう、建屋等の滞留水の状況を監視できる機能として、水位計を設置し、建屋に滞留する汚染水の水位が地下水の水位よりも低くなるように管理している。また、地下水の水位は、建屋近傍の井戸(サブドレン)に設置されている水位計により確認している。

  5. 水素爆発防止
    1. RPV/PCV への窒素充填が継続されている。窒素充填に当たっては、各号機のPCV 内の水素濃度が可燃限界濃度(4%)を上回らないように窒素封入量を調整するとともに、水素濃度を監視している。

    2. これらの取組に加え、間欠的にPCV 内の水素濃度の上昇が確認された1 号機については、サプレッションチェンバ(以下「S/C」という。)内に残留する水からS/C 内上部に放出される水素を窒素により置換する取組を実施し、安定した状態を達成している。引き続き、S/C 内の残留水から微量の水素が放出されている状況にあることから、安定した状態に維持するために窒素封入を実施し、水素に関するリスクの低減を図っている。圧力変動によりPCV の水素濃度の上昇が確認された2 号機については、S/C への窒素封入を実施し窒素置換は完了しており、引き続き、パラメータの推移を確認している。3 号機については、水素濃度の上昇は観測されておらず、S/C 内の閉空間は安定した状態と考えられることから、パラメータの推移を確認している。

    3. PCV 内水素濃度は、前述のとおり一定の値を示しており、その濃度は、可燃限界濃度(4%)に対して十分低い濃度で管理されている。


参考文献